尾道来訪

かみちゅ」展がある。
最近、心理的な閉塞感がピークに達してきた事もあり、遠出の衝動を後押しした。
前々から大林映画の舞台となっていることで興味もあった。
アニメ「かみちゅ」の舞台として丁寧に描写されている、
尾道の風景を一度観てみたいという気持ちと合わせって急遽尾道行きを決定。
この時、8月22日金曜日。

それから、ネットで調べてみると23日に上映会をやるらしい。
ただ、時間が8時から3本ということで日帰りは無理。
泊まるところを探す。
高台にあるビュウホテルセイザンはネットも使え中々眺めも良さそうなので予約を入れる。
(これが後々大変な目にあうのだが・・・)
因みに予約を入れたのが当日23日午前5時頃。

交通手段もこれまた迷う。
ネットで検索すると、丁度JRの青春18切符の利用期間でそれを駆使して行くつわものもいるらしい。
それもまた一興と福岡からの乗車時間を調べてみると7〜9時間位かかるようだ(^_^;;
18切符は二十歳くらいの頃一度利用したことがあるが、もう流石にきつい。
4時間強くらいだったら読書時間としては良いが中々頃合いの交通手段がない。
少々風情には欠けるが、新幹線で2時間程度の小旅行を楽しむこととする。
この時、一緒に折り畳み自転車を持っていこうかとも悩むが、
○当日雨が心配がある。
○坂の街のイメージがあるので果たして持っていっても活躍するかわからない。
ということで断念。
もっとも、一番大きい理由は手持ちの20インチの折り畳み(JetStreamXP)の輪行用バッグを
持ってなかったのでJRにそのままじゃ持ち込めなかったんだけれども・・・

・移動(博多→尾道
さて、博多から尾道までの工程であるが、
博多からひかりで広島まで。広島から三原まではこだま。三原から二駅目が尾道である。
普通列車はそうでもなかったが、広島から三原までのこだまの本数がローカル色を醸しだしていた。
たまに利用する博多→小倉のこだまの場合、ひかりやのぞみと区別無く利用するため、
こだまといっても本数が少ないという印象がない。

尾道
 取りあえず「かみちゅ」展を覗きに行く。
会場は商店街を少し入った所のすごく小さなスペースで、作中の背景画が20点程の他、DVDのジャケット原画やコンテの展示がしてある。
それから「ラムネあります」ということでラムネの販売もしていた。
休憩用のテーブルも二つ程あり、少し休ませてもらおうともおもったが2,3人の先客がいたので、
「日の出町ぶらり地図」のチラシとポスター(400円)を購入してそそくさと退散。

折角尾道に来たのだから何か名物をと尾道ラーメンを食べに行く。
一応定番らしい「朱華園」へ。
さすが有名店らしく常に行列が20人くらいいた。
博多でラーメンというと如何にもラーメン専門店という感じだが、
ここは大衆食堂のような感じでメニューも「中華そば」とある。
後から尾道のガイドを呼んでみると「尾道ラーメン」という名前がかなり独り歩きしているとのこと。
まぁ、ありがちな話。
最初はラーメン屋のはしごでもしようと思っていたが、尾道風のお好み焼きがお勧めとあるので
後で食べることにする。
腹ごしらえも済んだので、ホテルのチェックインの時間まで海辺を散策。
海沿いはゆったりとした散歩道があるので、休みの日なんかはこういうところをブラブラすると
気持ち良さそう。
途中、これも有名らしい「カラサワのアイスモナカ」を買って海を眺めながら一休み。
もうベタベタの観光客の行動。

幸か不幸か好天に恵まれたお陰で結構汗を掻く。
荷物を置くのとシャワーを浴びる為、早めにホテルへ向かう。

ホテルへは「かみちゅ」スポットを探しながら。
途中、作中で出てくるJRの描写ポイントになる歩道橋を発見。
そこのすぐ近くには石浜中学校(いや、実は小学校)。
ちょっと躊躇したが、ちょっと遠巻きに校門を撮影。
さて、ここからは延々と階段、階段、階段。
ぜぃぜぃ言いながら階段を這うように登っていく。
タクシー使えば良かったかなとも思うが、それじゃあ景色が楽しめない。
途中、ポイントポイントで撮影しつつホテルへ辿り着いたときには凄い汗まみれに・・・
チェックインしようとフロントへ向かうと、一番に冷たい水を持ってきてくれたのは有難かった。
ホテル自体はそこそこ年代ものといった感じだったが、部屋からの眺めはよく尾道水道が一望できた。
因みに先ほどの小学校も真上から見下ろせ「あぁ、あそこに書道部があるんだなぁ」と思う。

シャワーを浴びて一休みした後、上映会へ行くために御袖神社を目指す。
ロープウェイを利用しようと思っていたが18:00前にはもう運転終了。
あきらめて、今度は文学の道(?)を下って行く。
が、今度はきつくは無いが普段規格化された階段ばかり利用してるせいか、
一段一段高さや傾きが違う階段を下るのは結構恐い。
こけたら死ぬんじゃないかと思いながら下って行く。
途中、「梟の館」、「福石猫の館」なるものがあるが、今日のところはパス。
福石猫は作中にも出てきてたけど、こんなにあるとは・・・

そんなこんなで、艮(うしとら)神社を発見。
とりあえず、お参りをして御神籤を引く。大吉なり。
ここからそう遠くないところに御袖神社があるはずと思い。
てれてれと歩いて行くが場所がわからない。
どうも随分行き過ぎたようで凄く遠回りをしながら漸く到着。

会場には既に野外スクリーンが張ってあって、お祭りの映像を流していた。
なんだか昔の小学校でやってた野外の映画上映会を髣髴とさせる。
随分懐かしい感じがしたが、果たして実際自分の過去の体験でそんなことあったっけ?
所謂、昭和の記憶ってやつを擬似記憶にしてしまったのか?

上映時間までは、随分時間があったので名物の絵馬をみたり、
お祭りの映像を眺めたりしていると、地元のおばさんが声をかけてくれる。
観光客なれしているのか、映画「転校生」の撮影の時の話や、
観光客が来るスポットの話を色々教えてもらう。
転校生の階段落ちもここだったのね。

話の中で、今流しているお祭りの映像が今年のものだと聞いてちょっと吃驚。
ノイズの入り方からして十年くらい前の映像だと思ってしまった。
上映会の画質がちょっと心配になる(^_^;;

上映会まで後一時間くらいというところで映像が変わり、
主催の方の同人ビデオ「尾道どうでしょう」が上映される。
正直、ゆりえのマペットが出てきた時にはちょっと退いたが(笑)、凄く面白かった。
残念ながら途中で上映時間になった為最後まで観られなかったが、
是非最後まで観たいと思う。

最終的に集まった人数は百数十人と中々盛況。
上映会の内容自体は、まぁ初めて観る作品ではないものの、
第一話の直前の宮司さん挨拶は良い前フリでした(笑)。

10時前には終わり、帰りに何か食べて帰ろうと駅近辺に向かうが殆どの店は閉まってる。
なんとか開いてるところを見つけて一杯やってホテルへ帰る。
(結局、また階段を延々と上った・・・)